今回の記事では、「追加合格(補欠合格)」について、大手幼児教室発表のデータから考察をしてみたいと思います。
学校によっては、補欠番号を事前に各ご家庭にご案内される小学校もあるなかで、追加合格の知らせをいつまで待てばよいのか・・・、という保護者の方もいらっしゃると想像しています。
当然、その年によって傾向は変動するものと思いますが、経年で見ていけばある程度は学校別の傾向はわかるのかなと考え、2021年度の現時点での状況をまとめてみました。
※合格者実績が保護者からの報告をベースとしている場合、保護者が幼児教室側に志望度が高かった学校を報告する可能性もあるため、どの学校が追加合格が多い・少ないという視点よりも、”いつまで数値に動きがあったのか”という視点で見るべきデータかなと考えています。
大手幼児教室データを参照元とした理由
小学校受験を経験された方なら、皆さんご存じであろう「ジャック幼児教室研究所」は過去の記事を見ていただいてもわかる通り、合格者数の最も多い幼児教室になります。
メインの受験対策の幼児教室としても、以前Twitterでご協力いただいたアンケートで、一位となっており会員の母数が多いことが推測されます。
首都圏で小学校受験対策を“大手幼児教室で”対策をされた方(されている方)に伺います🙏
— 30代共働き会社員@はじめてのお受験 (@hajimete_ojuken) January 30, 2021
大手の幼児教室の中で、どちらの塾をメインの教室にされていましたか?
※教室数や出版物の多い教室を基準に選定
加えて、体操教室から歴史が始まったこともあり、周囲でもジャックの体操の授業のみ受講されたり、学校別の授業を受講するために、会員になってサブ利用(掛け持ち)される方も多いと感じています。
大手幼児教室(4教室)のメイン利用者の構成比が比較的バランスよく分布していることを鑑みると、サブとして利用されている方の多さや、サブ利用されている方が受講されている個別講座の評価の高さが、合格実績の差につながっている一つの要因ではないかと推察しています。
メインとしてもサブとしても会員数が多く学校別に合格者を公表されている幼児教室であるため、今回の記事作成にあたり、公表されているデータは、とても参考になるものと考えます。
2021年度ジャック幼児教育研究所集計日別「私立小学校」数値推移
直近公表されている2021年1月27日時点までの合格者増加数をまとめています。
一部データにマイナス(-)の値もありますが、同じ幼児教室であっても学校別に複数校渡り歩かれる方もいらっしゃるので、11月の報告ラッシュ時には保護者が各教室の先生方にご報告した場合、集計は困難を極めるだろうと容易に想像できますので、公表値を都度修正されているのだと思います。(試験が終わっても教室は大変ですね・・・)
私立小学校 | 11/21 前回差 | 11/28 前回差 | 12/16 前回差 | 1/27 前回差 |
青山学院初等部 | 0 | 4 | 1 | 1 |
青山学院大学系属 浦和ルーテル学院小学校 | 0 | 1 | 0 | 0 |
青山学院横浜英和小学校 | 2 | 0 | 1 | 0 |
開智小学校 | 0 | 0 | 0 | 0 |
学習院初等科 | 3 | 2 | 11 | 4 |
カリタス小学校 | 1 | 0 | 0 | 2 |
川村小学校 | 4 | 0 | 0 | 0 |
暁星小学校 | 5 | 0 | 1 | 3 |
国立学園小学校 | 5 | 0 | 6 | 2 |
慶應義塾幼稚舎 | 0 | 1 | 0 | 0 |
慶應義塾横浜初等部 | 0 | 0 | 7 | 0 |
光塩女子学院初等科 | 3 | 2 | 0 | 1 |
晃華学園小学校 | 1 | 1 | 0 | 0 |
さとえ学園小学校 | 1 | 1 | 1 | 0 |
淑徳小学校 | 1 | 0 | 0 | 1 |
湘南白百合学園小学校 | 0 | 0 | 0 | 0 |
昭和女子大学附属昭和小学校 | -3 | 1 | 1 | 0 |
白百合学園小学校 | 1 | 0 | 0 | 0 |
精華小学校 | 0 | 0 | 0 | 4 |
聖学院小学校 | 3 | 1 | 1 | 0 |
成蹊小学校 | -3 | 1 | 7 | 4 |
成城学園初等学校 | 0 | 1 | 6 | 4 |
聖心女子学院初等科 | -5 | 0 | 0 | 0 |
清泉小学校 | 1 | 0 | 0 | 0 |
聖ドミニコ学園小学校 | 1 | 1 | 1 | 1 |
星美学園小学校 | 0 | 0 | 0 | 1 |
西武学園文理小学校 | 3 | 0 | 0 | 0 |
洗足学園小学校 | -2 | 0 | 4 | 1 |
玉川学園小学部 | 3 | 1 | 5 | 2 |
田園調布雙葉小学校 | 2 | 4 | 1 | 0 |
桐蔭学園小学部 | 1 | 0 | 0 | 2 |
東京女学館小学校 | 0 | 3 | 2 | 3 |
東京都市大学付属小学校 | 0 | 1 | 2 | 4 |
東京農業大学稲花小学校 | 3 | 1 | 3 | 1 |
桐光学園小学校 | 4 | 2 | 0 | 0 |
桐朋小学校 | 0 | 0 | 4 | 2 |
桐朋学園小学校 | 0 | 2 | 1 | 1 |
東洋英和女学院小学部 | 1 | 1 | 1 | 2 |
日本女子大学附属豊明小学校 | 0 | 0 | 2 | 1 |
雙葉小学校 | 1 | 0 | 1 | 0 |
星野学園小学校 | 0 | 0 | 0 | 0 |
目黒星美学園小学校 | 3 | 0 | 2 | 1 |
森村学園初等部 | 3 | 2 | 3 | 2 |
横浜雙葉小学校 | 2 | 6 | 6 | 2 |
立教小学校 | 5 | 6 | 4 | 0 |
立教女学院小学校 | 3 | 2 | 3 | 3 |
早稲田実業学校初等部 | 0 | 3 | 4 | 1 |
データを見ると、各小学校で年内や年明けにも動きがありそうか否かの傾向はつかめます。
以前、首都圏難関校の難易度指数を考察した記事でも、取り上げさせていただいた「慶應義塾幼稚舎」については、やはり大手幼児教室でも動きが少ない・・・、と感じさせる結果となりました。
一方で、難関校と言われる学校でも一定の動きがみられる学校があることも分かるかと思います。
2021年度ジャック幼児教育研究所集計日別「国立小学校」数値推移
直近公表されている2021年1月27日時点までの合格者増加数をまとめています。
国立小学校 | 11/21 前回差 | 11/28 前回差 | 12/16 前回差 | 1/27 前回差 |
お茶の水女子大学附属小学校 | 0 | 0 | 0 | 0 |
埼玉大学附属小学校 | 0 | 0 | 0 | 0 |
筑波大学附属小学校 | 0 | 2 | 2 | 12 |
東京学芸大学附属小金井小学校 | 0 | 0 | 3 | 0 |
東京学芸大学附属世田谷小学校 | 0 | 0 | 6 | 0 |
東京学芸大学附属大泉小学校 | 0 | 0 | 0 | 0 |
東京学芸大学附属竹早小学校 | 0 | 0 | 0 | 0 |
横浜国立大学教育学部附属横浜小学校 | 0 | 0 | 0 | 0 |
前述の私立小と同期間で比較すると考査実施時期が私立よりも遅い国立小が多いため、動きが少なく見えてしまいますね。
その中でも特筆すべきは、「筑波大学附属小学校」が12月~1月にかけて大きく動いている点です。
例年12月に試験を行う筑波ですが、コロナ禍影響により2021年度試験は私立小の試験日程と近しい時期での試験となりました。
そうした影響もあり、もしかすると例年とは異なる動きをしているのかもしれないなと感じます。(例;従来であれば私立小志望校に合格したら試験を離脱していた受験者層が、11月上旬の試験の勢いそのままに筑波の試験に流れ込んだ?※こちらは完全な仮説であり、主観です笑)
2022年度(2021秋実施)の試験が、12月実施となり筑波小の志望度(熱望度)の高い母集団での試験実施となれば、2021年度とは傾向が変わってくるかもしれないと感じています。
また、データが更新されましたら追記をしたいと思います。